この建物は、設備会社を営む施主の事務所を併設する住宅である。敷地は、住宅や公共施設が混在する住宅地にあって、前面道路を挟んだ向側には緑深い公園がある。この公園を借景として取り入れ、住宅と事務所が程よい距離を持つことを主題に設計を行った。全体の構成として、事務所棟と住宅棟2棟の分棟方式とし、公と私を平面上明確に分離した。また、南側道路と北側道路ではレベル差が6mあり、交通量の多い南側道路から事務所へ、そこより6m高い北側道路から住宅へと、平面上だけでなくレベルにおいても公私の区分を行った。その明確い分離された住宅と事務所の距離をやわらかく曖昧に演出するために、半戸外空間であるギャラリーを「繋ぎ」として配した。どう敷地内のほんの短い距離で、暗示的ではあるが、私から公への(またはその逆)きりかえの場となることを狙った。
事務所棟の屋上テラスは、住宅の居間、デッキと共に中庭を挟んでつながり、同じき公園を借景に家族や事務所スタッフとの快適な交流空間となっている。そこには光と風があふれ、心地よい。公園の借景という主題が存分に生かせた空間になった。
plan
1 parking
2 approach
3 entrance
4 tatamiroom
5 kitchen
6 dining
7 living
8 utility
9 serviceterrace
10 bathcourt
11 bedroom
12 deck
13 na
14 terrace
 1 住宅棟アプローチを見る
  2 住宅棟アプローチディテール(アプローチ
   のスージを抜けると、ナーから公園に開く)
   スリット部分は事務所棟への階段
  3 スージ(外廊下)からリビング方向デッキ
   (ヌレエン)を見る
  4 事務所棟ROOFテラスとナーを見る
  5 住宅棟屋根から事務所棟ROOFテラスと
   ナーの関係を見る
  6 公園側からナー、ヌレエン、リビングを見る
  7 内部、キッチン側からナーの方向を見る。
  8 リビングから和室を見る。(ボールと屋根の
   吹抜空間に木組で空間を仕切る)
  9 子供部屋1、2を見る
   (木組は将来2部屋に仕切る為のもの)
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