国際交流情報センタープロポーザル設計競技案


設計主旨
国際化を目指して
 今日に国際化時代においてアジア太平洋の圏域では文化的多様性を保ったまま同質の文明を分け持てる状況が生まれてきています。独自の文化的背景を持ちアイデンティティを確立することは、国際交流を進めていくこと(国際化)と決して矛盾しません。むしろお互いの文化を認め、違いを楽しむことが国際交流の原点ではないでしょうか。しっかりとした個性をお互いに持ってこそ国際交流は発展するでありましょうし、国際交流を通じて、われわれ自身の文化を豊かにできると思います。    
 その意味で、これからの沖縄の国際交流の拠点となる本施設は、沖縄独自の歴史的、文化的文脈を見いすえて計画されなければならないと思います。


沖縄の風土へ
 かつての沖縄では後方に冬風を防いでくれるクサテ(腰当て)に出来るような山や丘にいだかれた斜面にいある村落こそ理想的な集落でありました。今回の計画地は傾斜地となっており、敷地の頂点によりそって墓を抱く小高い丘があり、敷地を望んだとき、かつて沖縄の集落がはりついていた斜面を連想させます。
 今回の計画では私達は敷地の地勢を生かすことを念頭におき、クサテムイ(腰当ての森)を持つ沖縄の「集落空間」をシンボリックにとらえて表現しました。けずられて無くなってしまう森(ムイ)を再構築することで、クサテムイを存続させてゆきます。クサテムイへと連なる斜面を広場空間で連続させてゆきクサテムイと一体となった敷地全体の公園化を計りました。本施設は一つの原風景として、たとえ時間の長い推移を経て廃墟になろうとも地域住民そして世界の人々のクサテムイとして残ってゆくでありましょう。


・交流空間の創出
現在の公共建築物の多くは機能充足型であり、
用事を済ませに行くだけの所となっています。
公共建築はもっと人々の生活に密着しなければ
なりません。
・バザール空間の提案
旅に行くと人はその国の素顔と接することが出
来ます。私達は、交流を生み出す仕掛けとして
ナー(交流広場)を中心とした(食のバザール)
空間を提案します。ピロティ、プロムナード空間
を利用して国際屋台村を作り各国の料理・酒・
飲物を楽しみます。
本施設が身近に感じられ、飲み食いしながら、
個人の顔が見える国際交流が生まれます。そこ
では言葉はいりません。まーさん!うまい!グッド!
ビアン!サブローン!とさけべば、すでに交流は
始まっているのです。
南側立面図
東側立面図
1 ピロティ…テナント・食文化ゾーン
2 ウナー(御庭)…交流広場
3 ティダ・ガマ…太陽の穴
4 アシビナー(遊び庭)…屋上広場
5 祈りの広場
6 12本の列柱
7 クサテ・ムイ
8 クリスタル・ドーム
9 シェルターとしての
情報センター
25m道路
 敷地全体を公園化し、クサテ・ムイ(亜熱帯植物)と一体化する
将来設備区域   
傾斜地の利用→屋根部分も広場として使用し、公園化する


▲ ページトップ