北中城の集合住宅 ~7世帯のコミュニティハウス~

敷地は北中城の県道沿いにあり、南側に1段(3,5m)下がった傾斜地である。

渡口方面につなぐこの道路は、交通量も多く慢性的な渋滞があり、
南側に新たな道路の建設が始まっている。

この道路計画により既存のAP(4世帯)の立退きを機に
老朽化した上の道路沿いの外人住宅(2棟)と長年住んだ住宅を建替えすることとなった・・・・・。

プログラムは親・子(長男家族)の2世帯住宅と
賃貸住宅5世帯の計7世帯の集合住宅である。

この計画では
南側に建設される新しい道路により大きく変わっていく
住環境の中で敷地の特性である上の道・下の道を道空間で
つなぎながら共有スペース(広場)を設けることにより
プライバシーを保ちつつ7世帯のコミュニティをどうつなげていくかを
大きなコンセプトとして計画を進めた。

 

 

各住戸をつなぐ道空間と共有広場の様子

住宅部分は上の道から、
賃貸部分は全て下の道からのアプローチとし、
分離することによりプライバシーを確保している。

また、敷地のレベル差(3.5m)を利用し
下の階に配置した賃貸住宅A、Bの空間構成
(平屋とメゾネット型)により生まれたレベルの違う住空間は
視覚的にお互いのプライバシーを確保している。

 

 

 

親世帯 アプローチとデッキ
住宅部分は上の道をアプローチ空間とし、
道路沿いに2つの住戸(親・子世帯)を左・右に配置し、
中央部に共有の5.5m×3.6mの空中テラスを設けることにより、
親・子・孫達とのコミュニティを確保した。

 

 

 

親世帯 LDKと和室の関係をみる
天井はスラブが浮いたようなデザインにし、天井を高くすることで明るく開放的な空間にした。

 

 

 

 

子世帯 玄関アプローチとデッキ

 

 

 

 

子世帯内観・親世帯住戸との関係を見る

 

 

 

 

AP-A
親世帯の下の階に配置したAP-A は敷地レベル差を利用した、
天井の高い(3m)、1フロアーの 3LDKの庭付きコートハウスとした。
井戸のある共有広場からアプローチし、
個室は共有部分の吹抜から採光を確保している。

 

 

 

 

AP-B(2世帯)

子世帯の下の階に配置したAP-B(2世帯)は
道路側の擁壁との間にドライエリア(サービスコート)を設けた。
また、リビングを2層分の吹抜空間とすることにより
半地下のイメージを払拭し、
光にあふれ風の抜けるメゾネット型の2LDKコートハウスの住戸とした。
コートを囲んだ花ブロックの壁はプライバシー確保の役割を担い
半戸外のテラスを通して風の抜ける、内・外一体の開放的空間を構成している。

 

 

 

 

AP-B
外部空間を見る。

 

 

 

 

AP-C 外観
AP-C(2世帯)は下の道の駐車場から1mほど上がった南側に別棟で計画した。
平屋建て2LDKの連続住宅である。

 

 

 

AP-C 内観
南側にコートを持つこの住戸は、
リビング部分の天井を高くする事で(3m)、
ダイニング、キッチン上部にロフト部分のフリースペースを確保している。