上与那原の家 ~スキップフロアーの家~

敷地は与那原町上与那原。
集落の南側に御嶽(拝所)が点在するムイがあり、
集落内にはカー(井戸)などの拝所が数多く残る古い集落内にある。

建物を南側に大きく開いたかたちで配置し、
ムイを望め精神的に拝所とつなぐイメージで計画した。
また敷地は高くなった北側の道路にむかって南からの登りの傾斜になっていた為、
この形状をそのままの形で生かしたスキップフロアーを全体のコンセプトとした。

建物をパブリック棟、プライベート棟、客間の3つのボリュームで構成し、
中心に配置したスキップフロアーのデッキ(ステージ)で各棟ををつなぎ、空間に広がりをもたせた。
デッキの可動式階段は、テーブルや椅子として使用でき、
第2のリビングとして家族の集いの場となる。

混構造のパブリック棟は、傾斜した敷地を生かしたスキップフロアーとし、
段状になった床の床下には無双建具を設え、
南から吹きぬける風の流れをつくる自然の換気装置とした。

竣工して間もなく、散歩をしているおばあちゃんに
“「赤瓦の屋根で、見てるとほっとするさぁ」とみんなで話してたんだよ”
という嬉しい言葉を頂いた。
古くからの赤瓦の産地である与那原で赤瓦を使う意味、
地域に根付く素材を建築に取り入れることの意味を改めて感じる事が出来た。
スキップフロア-を覆う木造の赤瓦屋根は
この家だけでなく地域のコミュニティをつなげていくことだろう。

 

アプローチを見る。
アプローチの土間には家族の手で色とりどりの琉球ガラスやビー玉が埋められた。

 

混構造のパブリック棟は敷地の傾斜をいかしたスキップフロアーとし、
床下に無双建具を設え風の流れを作る、自然の換気装置とした。
階段はリビングのソファーともなる。
カウンターの陶器の照明は陶芸家の相馬正和さん(陶眞窯)の作品。

 

デッキとアシャギの関係を見る。
ムイを望むアシャギ(離れ)の客間はデッキを介してリビング棟・ナーと繋がる。
南東に開かれた客間は御嶽(ウタキ)とつながるパワースポットとなる。

 

屋上スペースと外観を見る。
屋上スペースは将来、芝が敷かれ、ムイを望むルーフガーデンとする計画。
トップライトはテーブルとして機能する。
アジマー(交差点)は、狭い道路に配慮し、
植栽スペースとして集落の空間にゆとりを持たせた。
視線の抜けが生まれると同時に通りに潤いを与える。

 

竣工にともないヤシキヌウグァン(屋敷御願)が行われ、
土地の神様に感謝の気持ちと家族の健康と幸せを祈った。