与那原の家 二階増築/一階リフォーム

ここ数年多くのメディアがライフスタイルと共に建築をテーマに取り上げている。
その影響からか「住まい」についての意識が非常に高くなってきた事を感じる。
意識の高まりは環境問題と深く繋がり
リフォームという言葉が大きく言われるようになってきた。

確かにリフォームは、住まいや建築物の寿命を伸ばす事が出来るため
環境問題の点から有効な手段であるだろう。
しかし、その場凌ぎのリフォームでは、
すぐまた対策が必要になってしまう。

西欧では築100年、200年といった「住まい」が
現役で使用されてい例がみることが出来る。
これは造り手のみではなく使い手の意識も非常に高く、
リフォームし使い続ける事の利点と魅力を熟知しているためであろう。
長く使い続けていくためには、なぜ住みにくくなっているか原因をみつけ、
より環境に適した形に変化させてあげることが必要である。
そうして使い続ける事は環境への負荷を低減し、
そして、土地の景色や風土など記憶を継続的に育んでいくなど、
新築にはない魅力を備えることができる。

 

 

与那原の家は2000年の一期工事に続き二期工事を行った
二期にわたる、住宅の改装である。

2000年一期工事においては、
増え続け、書棚に収まり切れなくなった蔵書を、
地域や俳句の同人に開放するため、
アトリエを既存の平屋建ての上層に増築。
壁を鉄筋コンクリート造、
屋根を木造とした混構造でアトリエから書斎上部まで、
16mの小屋組が見渡せる。
また床材・書棚にも杉板を使用し、
木のぬくもりを存分に感じ取れる空間となっている。

 

 

 

外観・アプローチ・デッキをみる。

書斎、アトリエと連続したデッキからは西に小高い森を、
東に海を見渡せる。
自然からのインスピレーションが得られそうな、
俳句創作に最適な場となった。

 

 

 

 

 

2004年二期工事においては、
一層部分の生活空間をライフスタイルの変化に対応させるため改装。
研究活動を行うご主人の書斎・寝室を玄関・土間空間を広く連続させることより
「離れ」風に演出し、
研究に集中できる環境御を確保した。

 

内部空間

既存の大木のある庭と連続する様、
開口部を大きく開け自然を取り込むことを意識しながら、
増築した二階部分と雰囲気が連続するように計画している。