豊見城の家 ~アジマーにたつ家~

敷地は豊見城市の新興住宅地入口。
アジマー(交差点)建つ住宅である。
これから近隣は住宅密集地になることが予想されるため
プライバシーを確保しつつ、
内外部が一体となった心地よい空間をどうつくるか?
そしてアジマーの存在をどう生かすか?
また若い施主のためローコストでありながらも
暖かみのある住宅をどう作るかがテーマとなった。

 

 

外観をみる

計画は一枚の壁を交差点からセットバックして配置する事ではじまっている。
その壁から乗り出すようにコンクリートのBOXが、せり出している。
BOXを持ち上げ、スペースを空ける事により、
アジマー部分にゆとりと道を通る人々の視界の抜けを確保している。
そこに置かれた、石敢當(アジマー神)としての自然石(石灰岩)と、
せり出したコンクリートBOXが通りに対し豊かな表情を与え、
住宅の顔となっている。

 

 

 

アプローチ・玄関・リビングをみる

セットバックした壁には寄り添うようナー(庭)を配置し、
壁によって包まれる事でプライバシーを確保し、
内・外部が一体となる計画のポイントとなっている。

 

 

階段・2階子供部屋をみる

内部においてもローコストとはいえ、
人が触れる部分に対しては、
杉や土壁を積極的に用いることで、
明るく、健康的な住宅に仕上がっている。

 

 

 

 

 

 

アジマーに配置された自然石は、
かつて集落の入口に置かれた石シーサーと同じく、
この地域の守り神として存在していく事を願っている。