敷地は区画整理を終えた振興住宅地の、
学校・医院・SHOPが立ち並ぶ街路に面している。
プログラムは、
オーナーのための住宅+長男のための1ルーム+SHOP×2+賃貸住宅×2である。
140坪の敷地の中で、
これだけのボリュームの配置と駐車場計画(10台)は重要なポイントとなった。
施主がイメージしていた、
従来型の「前面に駐車場、1階に店舗、2・3階に賃貸住宅」の箱型建築から
“街並みを建築化”していくコンセプトの提案は、
施主のイメージを大きく変えることになった。
外観をみる
道路に面して両サイドにSHOPを、
その間にOPENスペースを配することにより
街並みの賑わいを内部へ引き込み、
通りからの視線の抜けをその奥の駐車場・賃貸住宅へと広げている。
SHOPの2階に持ち上げられた住宅は、
街路(歩道・南側)から直接アプローチできる戸建て感覚を確保し、
街路樹の緑を住宅内部まで借景として取り込んでいる。
駐車場をみる
さらに、この住宅+SHOP棟の間に大きな吹き抜け(間)を設けることにより
居住空間(住宅+賃貸住宅)へ充分な光と風が届き、
相互のプライバシーの確保を目指した。
街並みからスージ小(外廊下)へと続く賃貸住宅へのアプローチは、
この吹き抜けをめぐるように計画され、
立体的な路地空間となって賃貸住宅それぞれの独立性を高めている。
住宅アプローチ・ナー(庭)をみる
-住宅-
―アパート―
―テナント―
完成後、近所の方から「通りが明るくなった楽しくなった」
という声を聞いて安心している。
この建築が、
街並みをかたち作るひとつの “顔” となることを願う。