6年前、ぐしかわの家~ムイ(森)に抱かれた家~で家主の職場の後輩として
一生懸命、石積みをする夫婦がいた。
時は流れ、二人の子供を授かった夫婦はムイを眺める土地を手に入れた・・・・・・
敷地は、区画整理が行われた振興住宅地の角地。
住宅が建並び、今なお建設ラッシュの続く地域だが幸いにも、
道路をはさんだ南側には、琉球松やユリの生い茂るムイがあった。
今回このムイをテーマに計画を進めることとなった。
ムイ側に配置したナーを中心に、
パブリック・プライベート・サニタリーの3つのゾーンで構成されたのびやかな平屋建てとし、
家族のつながりを大切にしたいという家主の要望から
各諸室は程よい距離でお互いの気配が常に感じられる配置とした。
外観とアプローチ
玄関・LDK
畳間・デッキ
ムイを望むリビングには深い屁をもつデッキを設え、
家族や友人の集える空間とすると共に、ムイからろ過された涼風をナーや屁の影でさらに冷却し室内に取り込む工夫をした。
プライベート棟
ルーフガーデン
ルーフガーデンは、
下のナー(デッキ)とは異なるレベルからのムイを望み、観月会やホームコンサートのステージとなる。
完成にともなう見学会ではあちらこちらから、
「涼しいねぇ」という声をいただいた。
石積みを施したアジマーには、
家主手づくりの可愛いシーサーが置かれ、新たな住まいと地域を見守る。
沖縄や家づくりへの思い、子供たちへ伝えたい思い・・・・・
さまざまな思いがこめられた家がムイや地域とともに成長していくことを願う。