発展目まぐるしいコンベンションエリア。
埋め立てにより海岸線は遠のき、
かつての風景は一変した。
敷地はこうした市街化が進む地域と旧市街地との境い目に位置し、
アジマー(交差点)を挟んで南を望むと、
海へ開いた墓地と向き合う場所にあった。
厳かで神聖な墓地と、
アジマーをどのように捉えるかがテーマとなった。
夕景外観
墓地と居住空間と緩衝させるため、
1枚の壁をセットバックさせて配置した。
スリットに竹があしらわれたこの壁は、
石灰岩の石積みやソテツの石敢當とともに、
アジマー(交差点)に表情豊かなリズムを与えている。
アプローチの土間ギャラリー・玄関
門扉をくぐって壁をおりかえしアプローチすることにより、
千利休が露地空間に求めた世俗の塵を払う場所として機能し、
訪れる人の “気持ちの切り替えの場” となっている。
この一枚の壁は、
土間ギャラリーとして施主の趣味を生かす展示空間となる。
離れの和室(アシャギ)をみる
リビング・キッチン
玄関まで引き込まれた壁と、
デッキや離れの和室でナーを取り囲み外部を内部化することで、
外界とのほどよい距離感を生み出し、
内外が一体となった居住空間が生まれた。
階段・子供部屋をみる