敷地前面は、高校に通じる路地と交通量の多い道路。
朝夕を問わず車や人通りが多い。
周囲は住宅が立ち並び、
施主一家もこの環境に慣れ親しんできた。
住まいの老朽化が進み、
長男家族との同居も後押しとなり、
住まいの建て替えを決意した。
以前の住まいは敷地のほぼ中央に建ち、
分散した庭は使いづらく、
庭はあくまでも家の外であり普段の暮らしは家の中で完結していた。
密集した住宅地の中、
いかに涼しさを確保し2世帯のゆとりある空間を生み出すかをコンセプトとした。
北側外観
北側の道路を背に、
建物をL字型に配置することで南にまとまった広さのナーを確保できた。
ナー、デッキををみる
ナーに面して建物に沿うように長い屁とデッキをめぐらせ、
内部とナーの中間領域となるアマハジを設けた。
深い軒下のアマハジ空間は強い日差しから影をつくり空気を冷やし、
ナーから吹く南風が涼風となって住宅内部を通り抜ける。
1階 内部空間
アマハジのデッキを介して、ナーとリビングは連続し、
ナーはより内部へと近づいた。
2階 子世帯を見る
生活スタイルの異なる親世帯と子世帯を上下に分ける構成となっているが、
内部階段で両世帯をつなぎ双方が気のおけない距離となっている。
2階 子世帯のリビングからもデッキを通してナーの緑を眺めたりと、
ナーはこの住宅にゆとりと涼しさをもたらす、
2世帯の共有空間として存在している。
ロフト・中二階をみる