首里の家Ⅲ

 

ご両親が住んでいる実家の庭部分に娘夫婦の住宅を計画した。
敷地にはカー(古井戸)があり、
古い大きな岩や樹木があり、
地域の人々の御嶽のような存在の場所であったことさえ伺える雰囲気であった。
道向かいにはマチヤグワァーがあり、
今でも地域のおばぁや子供たちはカーと小さな森の周りに集まっている。

 

カーの脇を通り、
植物たちの間を上がっていくと、
エントランスのデッキへと続く。
デッキは既存の大木(ナンキンハゼ)の上に乗っているように見える。
この木の上の小さな居間は、
地域に解放した既存の石庭と一体の外部空間である。

 

室内にはスギのスリットを用いて、
デッキでつながった実家からもこれまで眺めていた緑を、
娘世帯の居間を通してガラス越しに透けて見えるように計画している。

これまでにあったものを守りながら、
新たな地域・実家とつながる住宅をつくり出した。

 

 

昼・夕景外観をみる

 

 

 

エントランスをみる

 

 

 

 

エントランス横のナー(庭)