ナーを抱く家

タテの工夫で自然を取り入れる

 

沖縄の伝統的な民家は庭(ナー)に向かって居室が配されていた。
夏、開け放たれた家は風が吹きぬけ、
冬は閉じればよいという気候に寄り添ったシンプルな生活がなされていた。
しかし、今の沖縄の都市部では
なかなかこのような空間の使い方はできないのが現状だ。
これを実践している家が北谷町にある。

 

周囲は若者のプレイスポットで
いわば新しいスタイルの都市住宅だ。
一階は洒落たブティック。
その横の階段を昇ると、いきなり庭(ナー)が広がる。
一瞬戸外へ出たのかという錯覚にかられる。
シンボルツリーがさやさやと風を生み、
目線を上へ向けると空が広がる。
「都市住宅というとプライバシーを守るために高気密化してしまうでしょう?
結果、冷暖房装置をつけてしまう。
せっかく風も光もあるのにもったいないですよね」
とご主人。
吹き抜けになった庭を抱くように
リビング、ダイニング、寝室、子供室がある。
「家を空に向かってタテに吹き抜け、
さらに庭(ナー)を囲むことで風も光も雨さえも感じることができるんです。」
沖縄の自然を肌で感じることの大切さを教えてくれる家だ。

 

※「沖縄の新しい都市住宅のカタチ」より一部抜粋しています。

 

 

 

リビングをみる

 

 

 

庭(ナー)・ナー(庭)から室内をみる

 

 

 

バスルーム・3F和室をみる

 

 

 

茶会のようす