古い集落に残る、緑深い木々に囲まれた住宅。
老朽化を機に、住宅+染色工房、
さらに4世帯の賃貸住宅を計画することとなった。
かつては生活用水として使用していた井戸や、
多くの木々をできるだけ残すことをコンセプトとして提案。
賃貸住宅部分は、琉球松の大木を中庭に取り囲み、
その傍らには家族の思い出が残る池を水盤として再生させた。
居住者はこの中庭から各戸へアプローチする。
“ 風のテラス ” と名付けた土間空間が人々を迎え入れる。
この空間は、外のリビングとして室内と連続し、
中庭から室内へと風の抜けるゆとりのある、
沖縄型環境共生住宅として提案した。
住宅部分は南側に開く配置とし、
既存の樹木を内部空間まで引き込み、内・外が一体になるよう計画した。
工房へは玄関からの出入りと共に、西側の庭からのアプローチも確保し、
住まいと工房の機能的な動線を考慮した。
90才の祖母を筆頭に3世代が集う住まいと、4戸の賃貸住宅。
屋上に設けた共用のテラスからは、
嘉数高台の森や東シナ海が望める。
新しく生まれ変わった空間に、残された木々が色濃く木陰をつくる。
ここに暮らす人々にとって、心地良い住まいになることを願う。
アプローチ・玄関をみる
LDK・デッキ・ナー
仏間
アトリエ(工房)1階、2階
AP中庭。既存の池を再生した水盤は各住戸へ涼風を運ぶ
メゾネット型(A、B)
水が流れるメゾネット型(C)
3階フラット型(D)、パブリック棟とプライベート棟をつなぐ空中廊下
住人同士のコミュニティの場となるAP中庭、共有のテラス
既存の屋敷の状況。