アジマーに建つケアハウス

近年、人口に占める高齢化率は年々上昇し、今や25%に達している。
その中で、高齢者の “ すまい ” がクローズアップされ
生活向上などのサービスを主とした、ケアハウス等の施設が求められている。

このケアハウスの計画では、収容施設のイメージを払拭し、
“すまい”としてアットホームなイメージと生活空間の充実を大きなテーマとして計画を進めた。

 

 

 

街なみをイメージした3つのユニット(共有空間)の中央部には、
光と風の流れる植栽計画された吹抜空間を配置し、
街なみの構成に変化を与え共有空間に集う居住者たちが
視覚的にも楽しめるように工夫している。

また、スタッフステーションから吹抜を介して各住戸(部屋)が
見渡せるよう管理上の役割を担い、
各階の気配を感じ広がりを意識するこの施設のポイントになっている。

 

 

1階玄関・ロビー廻りをみる。来客は吹抜を介して、2階3階の気配を感じる。

 

 

1階厨房側に配置したリハビリ室(多目的室)をみる。
住宅地街路に開かれており、中の様子が地域の人たちにも分かる様にしている。
将来的には地域に開放し、公民館的役割を担えるよう計画している。

 

各住戸(部屋)の独立性を高めるため出入口の上部には
軒をイメージした木の格子を設置することにより ” 住戸の玄関 ” とし、
共有空間(1ユニットごとのL・D・K・談話スペース)の街から
” 家 ” に帰る意識を高める様インテリアも住戸は木目をベースに、
共有空間は街なみのインテリアで構成し、生活空間の変化を目指した。

 

4階多目的室。図書館やサークル室等に利用する。

 

東・西・南・北、4つの面に配置された居住空間の廻りには
陽が差し込まない様、外皮として花ブロックスクリーンのベランダ(アマハジ空間)を配置し、
居住スペースから光と風のうつろいを感じられるように工夫している。
このアマハジ空間は回遊性があり、災害時の避難動線の役割を担う。

 

 

3つの道路の角地の交差点(アジマー)には地域の人たちが楽しめる様、
緑の空間と石積みのポケットパークを配置し
施設の名である、“ てぃんさぐぬ花 ” の歌碑を設置した。
この歌碑はアジマー神として居住者と地域の人々を見守っている。

 

 

3月29日(土)除幕式と落成式が行われました。
→その様子をご覧いただけます。